前回はお太鼓結びのいろいろなポイントを紹介しました。
今回は、こいけが初心者さんにお勧めする方法をまとめたいと思います。
基本的なお太鼓結びの流れはご理解いただいた上でご覧ください。
細かいこと、基本的なことは割愛しています。
お太鼓に挑戦したけど、イマイチうまくできない…って時に
部分的にだけでも、ぜひ参考にになさってください。
短い帯だけど何とか使いたい、後ろに手をまわしてアレコレするのが大変・・・
という方にお勧めのお太鼓結びです。
こちらも参考になさって下さい。
①手先の置き方・胴への巻き方
手先の「わ」になっている方(折りたたんでいる方)が自分の首側、
「ミミ」になっている方(縫ってある、もしくは開いている方)が肩側に
くるように左肩に掛けます。
肩から下に降ろし、左後ろを押さえて右に直角に折り返します。
内側に折っても外側に折ってもやりやすい方で構いません。
≪point≫
↓このようになるので、最初に肩に掛ける手先の向きに注意してくださいね。
胴に巻いたときに、わが下になっているかご確認ください。
②胴に帯を巻いて締める
①で折り返したところがずれないように、優しく体に当てていくイメージで帯を巻きます。
巻くときのポイントは、巻く帯を引っ張りすぎないこと。
初めは左手で折り返し部分を押さえて右手で帯を前に回します。
その時、右腕で脇~右前を押さえて帯を固定します。
右腕で固定したら、後ろを押さえていた左手を離し、前で帯を受け取ります。
左手で帯を受け取ったら、右手は帯の上をスライドしながら後ろへ回し
初めの折り返し部分を押さえます。
そして左から巻いてきた帯を折り返しの上に重ねて右手で受け取ります。
前後の動きを同時に見るとこんな感じ。
青い★は右腕で押さえるところ。緑の矢印と番号は左右の手の動きです。
帯を巻いていく時に、右へ引っ張りすぎると、折り返した部分がずれてしまうので、
しっかりと押さえながら巻いていくのがポイントです。
★追記★
右手で押さえたまま帯を前に回して、受け取ることができればこんなややこしいこと
しなくても大丈夫です。
右脇の折り返しのところに、右親指を引っかけて残りの指で前から来た帯を受け取ると楽にできます。
一周巻いてから、帯を締めます。ここで初めて、しっかりと右に引きます。
左手で、初めの折り返しの角を持って帯を締めます。
帯の中で折り目に指をひっかけるとやりやすいです
もう一巻きして、一回目と同じように折り返しの角を持って帯を締めます。
*帯板はご自身のお好きなタイミングでお入れください。
≪point≫
ミミが自分の首側になるよう肩に掛け、そのまま背中を斜めに通って
前に巻く方法が比較的多いかと思います。
しかしその方法だと、右脇から背中部分の手先をしっかりと落とすことが
できていないことがあります。
肩から垂直に下ろし、直角に折って巻くことで、帯がしっかりと重なり、
帯を締めるときにも指を引っかけるだけで手先を固定できます。
②手先を下ろして前で固定
一旦右側にあるお太鼓側を前でクリップで留めておきます。
肩に掛けていた手先をパラっと後ろに下ろします。
①の帯の巻き始めと同じように(今度は左側に)畳んで手先を前にもっていきます。
下ろした手先を直角に折り返して左から前に回します。
ここでも手先を引っ張りすぎないように注意。
内側にに折り返しても外側に折り返してもどちらでも良いですが
左の画像のように背中心側にある「わ」を持って外側に折り返すとやりやすいです。
先ほど留めておいたお太鼓側のクリップを外して手先を留めます。
この時お太鼓側は右腕に掛けておきます。
≪point≫
ここでも手先を折り返してから前に持ってくることで、
背中がすっきりするとともに最後に手先の余りをお太鼓の中に仕舞う時に
とても入れやすくなります。
左脇の手先がぷかぷかするのが気になる場合は、
後ろ脇で帯の下線にクリップを留めても良いです。
③お太鼓を背負う前に
ここで仮紐を使うことでお太鼓山がきれいに作りやすくなります。
後ろでお太鼓部分をしっかりと広げます。
(帯に余裕があり、縫ってある部分が残っている場合は、
お太鼓を広げられる所まで手繰り寄せて広げてください。)
お太鼓の下に仮紐を入れて胴幅の真ん中で仮結びをします。
やり方は、お太鼓を背負う時同じ感じで良いです。
手先の上から仮紐を結びます。
≪point≫
先にお太鼓を広げておくことでお太鼓の形を綺麗に作りやすくなります。
お太鼓に変な山ができてしまう方、お太鼓が曲がってしまう方は
お太鼓を背負う前にこのひと手間をお試しください。
追記
お太鼓を広げてから仮紐で押さえると、後述する「もしゃもしゃ」がよりもしゃもしゃして
胴の帯も緩んでしまいがちです。
⇩写真のように半分に畳んだまま、直角に折り上げて仮紐をすると胴帯が緩みにくいです。
この場合は、帯枕を入れにくいかもしれませんが、しっかりと開ける部分で枕を当てると良いです。
④お太鼓を背負ったあと
お太鼓を背負いました。
このあと、お太鼓の形を決める前に、お太鼓の中を整えておくとすっきりします。
※実際は帯をめくらないでやってくださいね。
お太鼓を背負ったら、仮紐をほどきます。
仮紐をほどいたら、帯枕の下のもしゃもしゃした部分を広げて厚みを抑えます。
また仮紐をほどくと、左脇が少し緩みます。
緩んだ部分を背中心に向かって引きます。
胴帯に沿うように少し上に向かって引くと良いです。
さらにもしゃもしゃした部分を折りたたみ、尖った部分を作って
それを帯枕の土台になるように滑り込ませます。
腕が後ろに回りにくい方は無理をしないでください。
≪point≫
帯枕の土台になるようにもしゃもしゃを入れると、
胴に巻いた部分が緩みにくくなり、枕も下がりにくくなります。
腕が回る人はぜひお試しください。
入れにくい時は、のけぞるようにして滑りこませるようにすると良いです。
⑤お太鼓の形を作るとき
多くの方は仮紐を使ってお太鼓の大きさを決めて、タレを中に入れ上げると思います。
これはコツを掴むまでなかなか上手にできないものです。
仮紐をもう一本使うと抜群にやりやすくなりますよ!
やり方はとても簡単、先にタレ先の長さを決めて仮紐で押さえます。
そのあとに通常通りお太鼓を作ってください。
先にタレ先を固定すると、曲がってしまったり、入れすぎたりすることがありません。
仮紐が2本重なる感じになります。
紐が足りない場合は使わない帯締めなどでも良いです。
⑥手先を入れて、帯締め帯揚げを処理して完成!
ここから先はいつもと同じ方法で進めてください。
手先の向き(わが上かミミが上か)は流派・講師によって異なり正解はないと思いますが
今回の①及び②の方法で手先を処理しますと、わが上になっています。
どうしてもわが下でなければ(胴に巻いたのと同じでなければ)嫌だという方は、
手先をお太鼓に入れる前に一度脇で捻ってから入れてください。
(個人的にはそこまでする必要はないと思います。)
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もうお太鼓が結べる方からすると、
こんなことしなくても結べるよ!って思う方もいるかもしれませんが、
初めのうちはひとつひとつ丁寧にやった方が良いです。
折りたたむ、とか仮紐で結んでおく、などのひと手間を
めんどくさがる方もいますが、そのひと手間は大したひと手間ではありません。
ひと手間を惜しまずにやっておくことで、上手に綺麗にお太鼓が作れます。
慣れてきたら、簡略化して良いと思いますよ!
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いかがでしたでしょうか。
画像で説明するのはとても難しいのでわかりにくい部分もあるかと思います。
レッスンに来られる方はぜひ、レッスンにお越しくださいませ。
レッスンについてはこちらのページをご覧ください。
もしも私が半幅帯のヘビーユーザーでなく
お太鼓も頻繁に結び、お太鼓結びに自信満々だったら、
自分のやり方(=昔教わったやり方)が一番いいと思っていたと思います。
でも、そうではなく普段お太鼓をしないからこそ
いろいろな方の帯結びを研究してそれぞれに良いと思った部分を
ピックアップするという今回のブログにつながりました。
本来ならば、私が考えたことではない情報なので引用元をご紹介するべきですが
逆に今回ご紹介した内容はどなたか特定の方が開発したものではありませんので
(元をたどれば考えた人はいるのでしょうがキリがありません)
引用元の表示は控えさせていただきます。
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今回、なるべくわかりやすいように画像たくさんでブログをまとめたかったため
着物初心者のOさんにモデルになっていただき撮影をいたしました。
ご協力いただきました、お茶の水女子大学のOさんありがとうございました。
着物のインカレサークルに所属してお着物を楽しんでいるそうです。
背が高いお嬢さんですが、リサイクルのお着物を上手にお召しになっています。
ブログ内での着崩れ等は何卒ご容赦くださいね。
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