ふだんきもの杏

着物を着ていて裾の八掛が擦り切れてしまった、なんて経験はありませんか?

私はアンティークの着物が好きですが、しょっちゅう擦り切れてしまいます。

先日は1日着ただけで9割が擦り切れてしまいました。(泣)

 

えーーん

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現代では、八掛を表地より下にたくさん出して仕立てるというのは

あんまりないようですが、アンティークのお着物だと良く見かけます。

 

表地が擦り切れないための予防策や、

綿を入れて厚みを出すことで重厚感を出したりといった理由で仕立てる方法です。

「ふき」と言います。

 

このふきのおかげで、表地が切れずに済んだのですけれど・・・

このままではさすがに着られません。

 

ちなみに、擦り切れ防止といえば「ガロンレース(ガロンテープ)」が一般に知られています。

こちらを付けておけば、安心なのかもしれません。

 

が、

 

切れることを想定していないので、あとから「あーーあ切れちゃった・・・」

ってなっちゃうんですよね。

 

私としては、どうせ縫い付けるなら、かわいくしちゃいたいというのもあるので、

幅広レースを利用して、裾をカバーします。

 

レースの幅にもよりますが、裾の際に少し出るくらいに縫い付けても良いし、

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こんな風にレースを見せるように付けても良いです。

ちなみにこれで身丈が少し伸ばせます(^皿^)v

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では簡単に解説します。

 

まずは、擦り切れてしまった八掛をよく見ます。中から綿が出てくることがあります。

邪魔なので、できれば引っ張りだしておきます。

後の作業の際に邪魔だと感じない場合は出さなくても良いです。

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表地の裾よりも飛び出した部分をカットするか、折り返して縫い留めておきます。

カットしてしまうのは勇気がいると思いますのでこちらはお好みで。

(カットする際は自己責任でお願いします。表地を切らないように!)

 

今回はほとんどが切れていたので、カットしました。

八掛の縫いしろ部分も、表地に縫い付けてある糸も外して思い切ってスッキリ。

レースで被せるのでこんなにいっちゃって大丈夫。

レースの幅に応じて(幅を超えて短くならないよう)カットしてくださいね。

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 八掛をマチ針で先に留めてから

 カットすると短くなりすぎないです!

 

 

 

 

 

 


 

上前の衽だけ、きれいに残っていたので切らずに折り返してみました。

綿は抜いても、縫込みなどがたくさんあって少し厚みがあります。

一見汚いようですが、折り返しが開かないように留めておきます。

表に響かないように縫い留めてくださいね。

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準備ができたら、レースを置いてマチ針で留めてから縫っていきます。

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まずは着物の裾に合わせてちくちく、さらにレースの上線に沿ってちくちく。
裾は2cm間隔くらい、レースの上線はもう少し広い間隔で良いと思います。

 

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2回とも、表地には貫通しないように、縫います。

 

縦の断面図を示します。

着物の表地を一緒に縫ってしまわないよう、注意しながら縫ってください。

(青い横線が縫い糸を示しています。)

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できました。縫い糸がちょっと出ちゃいました。(←悪い例)

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裾だし、あんまり気にしないので縫い直しはしません(笑)

 

実は万が一に備えて(?)赤い糸で縫ったんです。

レースに合わせて白い糸を使えば、裏は縫い目が目立たずきれいに仕上がります。

 

私は赤い糸で縫ったためレースの方にはへたくそな縫い目が目立っています。

どちらに合わせるかは、あなた次第。

(レースの色の糸で縫って、表に出ちゃったらやり直すのが、一番綺麗な仕上がりです。)

 

これで、またこの着物が着られるし、なんといってもかわいくパワーアップしました!

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白系レースだとガーリーですが、黒いレースだときっとカッコよくなります。

 

さてさて、ここからはそのほかの部位にレースを使ってみましょう!
裾と同じように、袖口も実はけっこう擦り切れポイント。
事前にレースを付けておくと擦り切れ防止にも、汚れ防止にもなります。
袖口の際に沿って付けてもいいし、袖山に向かって多めに出しておくと裄足しにもなりますよ♪

 

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また、上前の褄下に付けると幅足しに!衽が広くなった感じです♪

ぽっちゃりさんにおススメ!

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ぽっちゃりじゃないさんには、衽に被せるのがおススメ!

(ここから着物が変わります)

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 これは、褄下(写真左側)側を

 裏側に少し折り返してあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

細いお花レーステープを裾に縫い付けたり。

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着物の衿に被せたり。

21 (コピー) 半衿にレース、というのは良く知られていると思います。

 市販されていたりご自身で作る方もいますね。

 

 着物の衿に被せるとぐぐっっとモダンになります。

 

 ちょっと小さい写真ですが、こんなレースも。

 ←はまっすぐのレースですが

   ↓はギザギザレースです。(付けるのは大変ですw)

 10985906_734746576629569_8262933615651312999_n大変だけどギザギザが可愛いんです♪


こちらの記事の後半では、レースを仮留めするだけで

きれいに衿にレースを被せる方法を開設しています。

レースを活用してもっと着物を楽しみましょ

 

 

 

さらにはお袖の振りも。

袖丈の長い着物でしたのでたっぷり見せるように付けました。

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これは装飾としてレースを付けていますが、胴裏が変色してしまった着物の

振りにレースを付けることで見えなくもなります♪

レースを付ける以外の方法を紹介しています→→★★

 

 

 

 

いろんな使い方でシンプルな着物をカスタマイズしちゃいました♪

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 この着物を着た日のブログは

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どうでしょうか?

レースはいろんなことに使えるので、手元に置いておくと活躍します。

最近は100円ショップでもかわいいレースたくさんありますよね。

 

ぜひレースを利用してもう着られないと思った着物を蘇らせてください!

 

*白いレースに黄色の背景で、少し見づらくてすみませんでした!*