ふだんきもの杏

着付け初心者さんや、少し着なれている方からも、

結構よく聞くのが「衿元のお悩み」です。

今回は、私がやっている衿のキープの仕方を紹介します。

 

◎まずは衣紋の抜きをしっかり固定する

衿を抜いても詰まってしまうというお悩みを解決するアイテムは・・・

 

その辺に転がっている紐です!

 

まずは腰紐を片方が少し短くなるように半分にします。
さらに「輪(わ)」にした方が短くなるよう、半分にします。
三段階の長さになります。

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画像ののところを、襦袢の身頃に直接つけます。
左右の向きはどちらでも良いです。どちらに「輪」がきても構いません。

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一般的な抜きの方は、20cm、多めに抜きたい方は15cmを目安に、衿付けから下がった
ところの背中心に付けます。
私は多めに抜いているので、15cmで付けてています。

 

直接縫い付ける、安全ピンで留める、襦袢に布をつけて通し穴を作るなど、ご自由に。

 

襦袢についている衣紋抜きは個人的にはあまり好きではありませんが、

襦袢に穴をあけるのが嫌な方は衣紋抜きに付けてください。

衣紋抜きについている紐を通すところは少し位置が低いと思うので、

通し穴ではなく、本体に直接付けたほうがいいと思います。

 

この紐を付けた位置が低すぎると効果が得られません。

結んだ時に紐のラインが後ろ上がりになるくらいがちょうどいいんです。

(でも紐の位置が高すぎると衿が抜けすぎてしまいますので、注意してください)

 

では襦袢をはおりましょう。

襦袢をはおって、衿の中心を身体に合わせてから、抜き具合を決めます。
一方の手で両衿もう一方の手で後ろをつまんで衿を抜きますよね?

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抜き具合を決めたら、後ろをつまんでいる手でそのまま背を押さえて

衿をつまんでいた手を後ろへ回します
一方の手を離してももう一方の手で背を押さえているので衣紋はずれないはずです。

 

両手が後ろに回ったら、左右それぞれの手で紐をつかみます。
紐をつかんだら、そのまま滑らせるように脇に紐を持ってきて

身八ツ口から襦袢の中に手を入れます。
右の写真は、撮影のためクリップで留めていますが、実際は手で持っています。

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襦袢の下(中)で紐を結ぶところがポイントです。

 

襦袢の前身頃の中に手をいれた状態で
2本になっている方の長い方の紐を、わっかに通してぐっと引きます。

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結びやすい位置で結びます。
この紐は、そんなにきつくなくて大丈夫ですが、ゆるすぎると効果がないので、注意。
結ばなくても2度からげなどでも良いです。

 

最初に紐の長さのバランスを取るときに輪の方が長すぎると、

結ぶ位置がすごーく横になってしまって大変なので、気を付けてください。

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これで、胸の下でロックがかかりました。

半襦袢に付属されている紐であれば、短いので真ん中を襦袢に付けて

一重(ひとえ)で結べば良いです。

 

ポイントは、結構高めの位置に紐を付けることと、衣紋の抜きを固定すること。

 

普通の着付けだと、衣紋を抜いた後、衿を合わせて紐もしくは伊達締めをします。

衿を合わせるには両手を使いますし、手を離した瞬間衣紋はずれていまします。

 

背中を抑えたまま、紐を掴み、滑らせて紐を結ぶ。

 

この一連をササっとできるようになれば、

もう着付けの最中に衿がずれることはありません。

 

衣紋をしっかり固定してから、前の衿合わせをゆっくりすればいいんです。

 

普通の抜きの方は20センチ

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多めに抜く方は15センチ

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ここまでできたらあとは衿を合わせて、紐なり伊達締めなりで身頃を押さえましょう。

 

 

◎衿の胸元が開いてしまう方は

 

胸の大きさにかかわらず、胸元が開きやすいというお悩みがある方。

原因はいろいろあります。

 

・胸が大きいのにちゃんと押さえていない

・そもそも襦袢の胸幅が狭い

・化繊の襦袢で紐や伊達締めで押さえても滑る

・衿芯が硬く反発力が強い           ・・・など。

 

大きい胸の方で、和装ブラでも抑えられない方は

目から鱗な胸つぶしアイテム」をご覧ください。

 

アンティークなど古い襦袢で「関東仕立て」と言われる仕立ての長襦袢があります。
昔の襦袢を使っている方はもしかしたらこのタイプかもしれません。
もしかしてこれそうなのかな?とおもったらこちらの記事をご覧ください。

 

また、硬い衿芯は、カーブさせたときにまっすぐ戻る力が強いため

胸が開きやすくなる要因です。

あまり硬くないものに変えてみることをお勧めします。

 

このどれにも該当せず、紐や伊達締めだけでは衿が開いてしまう方は、

ぜひ「コーリンベルト」を使ってみてください。

 

一般的には、襦袢にはコーリンベルトって使わないのですが、

クリップの付いた伊達締めや補整下着も売られています。

 

私も昔それを使っていたのですが、イマイチ使いにくかったので、
これコーリンベルトと伊達締めを使えば同じじゃない?とひらめき

別々に使ってみたところ快適!

 

一体型のものは、長さ調整がしにくいせいだと今になって思います。

 

コーリンベルトを、着物用よりは少しきつめ(短め)にして留めると

しっかりと衿を引っ張ってくれます。

コーリンベルトしてるかどうかわかりにくい写真ですが(笑)

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この上に伊達締めをします。

 

コーリンベルト販売しています。

 

さらに進化を遂げたワタクシ!

 

現在使っているものは「コーリン和装締め」というアイテムです。

腰紐がゴム状になってさらにコーリンベルトの機能が合体したようなものです。

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左右の衿をクリップで留め、後ろで交差して前でカチッと装着留めるだけ。

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私は襦袢にも着物にもこれ一つだけ。とっても楽ちんでお気に入りです♪

 

コーリン和装締め販売してます。

 

お値段がね・・・

他のアイテムと比べたら安くはないのですが、

(でもずっと使えるので・・・)

(もっと安く売ってるところがあったらそこで買ってもらえばいいと思うので・・・)

 

売りたいから紹介しているのでなく

ほんとにおススメなのです\(^o^)/

 

私の周りでも使っている人が増えています~~。

この記事が皆さんの衿元のお悩み解消に役立ってくれることを祈ります♪